古物営業法とはどんな法律?中古品取引に必須の法律をわかりやすく解説

中古品をネットで売ってるけど、何か法律とか守らないといけないのかな?」

「古物営業法」って法律があって、ちゃんと守らないと罰則があるらしいよ。知らないとトラブルになるかもしれないよ。

中古品の取引を行う際には、「古物営業法」に基づいた取引を行う必要があります。リサイクルショップやせどり、オークションサイトを利用した中古品取引を考えている場合、この法律を理解し、守らないと予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

本記事では、古物営業法とは何か、守るべきルールや違反した際のリスクについて解説します。

古物営業法とは

古物営業法とは何か?

古物営業法は、中古品の取引を行う上でのルールを定めた法律です。古物営業法では主に以下の内容が定められています。

古物営業法で定められている内容

  • 古物営業とは何か
  • 古物商が守るべきルールとその罰則

古物営業法の目的とは何か?(古物営業法第1条)

古物営業法の主な目的は以下の通りです。

古物営業法の目的

  • 盗品や不正品の流通を防ぐこと
  • 中古品取引の透明性と安全性を確保すること

古物営業法で中古品の取引を規制する理由は、中古品市場での取引が「盗まれた品物の換金」に悪用されるリスクがあるからです。

例えば、盗まれた自転車や高価な家電が中古品として市場に流れ込み、それを知らない一般の消費者が購入してしまう可能性があります。

古物営業法では、取引の透明性を高め、犯罪を抑止するために、取引記録の保存や身分証明書の確認といったルールが設けられています。

これにより、盗品や不正品の取引を防ぎ、安心して中古品を売買できる環境が整えられています。

古物営業とは何か

古物とは何か(古物営業法第2条第1項)

古物営業法における「古物」とは、一度使用された物品や、新品(未使用)であっても一度取引が行われた物品を指します。

具体的には、以下の13のカテゴリに区分されています。

区分例示
1美術品類日本画、洋画、彫刻、陶磁器、漆器、書道作品、ガラス工芸品など
2衣類着物、浴衣、洋服、ドレス、アウター、ジーンズなど
3時計・宝飾品類腕時計、懐中時計、指輪、ネックレス、眼鏡、宝石等
4自動車自動車、自動車の部品(ホイール、タイヤ、カーナビなど)
5自動二輪車及び原動機付自転車オートバイ、スクーター、それらの部品(ホイール、タイヤ、マフラーなど)
6自転車類自転車、自転車の部品(サドル、ホイール、タイヤ、チェーンなど)
7写真機類一眼レフカメラ、ビデオカメラ、双眼鏡など
8事務機器類レジスター、電卓、コピー機、プリンター、シュレッダー、ファクシミリ、スキャナなど
9機械工具類電動ドリル、溶接機、テレビ、洗濯機、ゲーム機本体など
10道具類家具、ベッド、楽器、スポーツ用品、テレビ、おもちゃ、ゲーム機、トレーディングカードなど
11皮革・ゴム製品類レザーバッグ、革靴、スニーカー、ベルト、財布など
12書籍小説、漫画、専門書、雑誌、辞書、絵本など
13金券類商品券、図書カード、クオカード、切手、回数券(バス・電車)など

なお、大型の船舶や車両、不動産、など盗難のリスクが低いもの、また中古品としての流通の可能性が低いものは古物に該当しません。

古物営業法における「古物」については下記の記事で詳しく説明しています。
古物営業法における古物とは?中古品取引で押さえておくべき基本知識

古物営業とは何か(古物営業法第2条第2項)

古物営業とは、主に古物を売買する事業を指します。たとえば、リサイクルショップやインターネットを介したせどりなどが含まれます。これらの取引を行う際には、古物商としての許可が必要であり、法律に基づいた業務運営が求められます。

なお、古物を売買する場合でも、自分が使用するために持っていたものや、無償でもらったものを売る場合などは古物営業には含まれません。

古物商許可が必要な取引、不要な取引については下記の記事で詳しく説明しています。
古物商許可は必要?不要?中古品売買で知っておくべき判断基準とリスク

古物商が守るべきルールとその罰則について

古物営業の許可を取得する(古物営業法第3条)

古物営業を行う場合、まず「古物商許可」を取得する必要があります。この許可は古物営業を行う住所を管轄する警察署にて申請します。許可を得ずに古物営業を行うと、法律違反となり罰則が科される可能性があります。

古物商許可を取得するための5つのステップは、下記の記事で詳しく解説しています。
古物商許可の完全ガイド:許可取得までの5ステップを徹底解説

古物商が守るべき3大義務とは

古物商の許可を取得して古物営業を始めると、古物営業法により色々な義務が課されます。その中でも重要なものは、古物商の三大義務と呼ばれる以下の3つです。

古物商の3大義務

  1. 取引相手の確認義務
  2. 不正品等の報告義務
  3. 帳簿等の保存義務

1.取引相手の確認義務(古物営業法第15条第1項)

古物商は、取引を行う相手の身元を確認する義務があります。これは、取引が不正な商品(盗品や違法な品物)に関与することを防ぐために、取引相手が適正な人物であるかどうかを確認するためのものです。

【確認方法の一例】
対面取引の場合
:相手から運転免許証等の身分証明書の提示を受け、目の前で住所、氏名、職業、年齢を自署してもらう。
非対面取引の場合:住所、氏名、職業、年齢にかかわる電子署名が行われたデータを受信する、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、印鑑登録証明書と実印押印書面の送付を受ける。

2.不正品等の報告義務(古物営業法第15条第3項)

古物商は、不正品や盗品など、明らかに違法性がある商品を発見した場合、速やかに警察に報告する義務があります。これにより、盗品が市場に出回るのを防ぎ、犯罪に巻き込まれた被害者の保護にも繋がります。

3.帳簿等の保存義務(古物営業法第16条)

古物商は、取引内容を記録した帳簿を作成し、その帳簿を一定期間保存する義務があります。この記録には、商品の種類、取引日、取引相手の情報など、取引の詳細を正確に残すことが求められます。これにより、後から取引内容を確認したり、トラブルが発生した際に追跡できるようにしています。

古物台帳の作成方法と注意点については下記の記事で詳しく解説しています。
古物台帳の作成方法と注意点:古物商が知っておくべき義務とリスクについて解説

古物商には、これらの3大義務以外にも「古物許可証の携帯」「古物商標章(プレート)の掲示」など様々な義務が課せられています。

古物営業法に違反するとどうなる

古物営業法に違反すると、厳しい罰則が科されることがあります。古物営業に携わる者にとって、これらのリスクを理解し、法律を遵守することが不可欠です。

主な古物営業法違反とその罰則

  • 無許可での古物営業 (古物営業法第31条)
    3年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 営業所以外で古物取引を行う(古物営業法第32条)
    1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 取引記録を残さない(古物営業法第33条)
    6ヶ月以内の懲役または30万円以下の罰金

古物営業法を違反すると、刑事罰や罰金を科されるだけでなく、顧客や取引先からの信頼を失うことにも繋がります。法律を遵守し、健全なビジネス運営を心がけることで、リスクを回避しながら信頼性のある古物商として活動することができます。

まとめ

この記事のまとめ

  • 古物営業法は、中古品取引において守るべき法律であり、盗品や不正品の流通を防ぐ役割を持っている。
  • 古物商として営業する場合、取引相手の確認、取引記録の保存、不正品の報告など、重要な義務が課される。
  • 古物営業法を違反すると、懲役や罰金などの厳しい罰則が科されるリスクがある。

古物営業法は、中古品の取引を行う際に遵守すべき重要な法律です。ネットショップやせどりを副業とする個人にとっても、適切な許可を取得し、取引の透明性を確保することが不可欠です。この法律に従うことで、ビジネスを安心して展開でき、トラブルやリスクを回避することができます。

古物営業法に基づいたルールを理解して、安心して中古品ビジネスを行いましょう。

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