メルカリで中古品取引するなら古物商許可が必要?許可が必要な場合と注意点を解説

メルカリでせどりをしてみたいんだけど、古物商許可が必要なのかな?

僕はメルカリで不用品を売ってるんだけど、許可はいらないよね?

メルカリを利用して不用品を売る方や、中古品ビジネスを始めたいと考えている方が増えています。しかし、どのような場合に古物商許可が必要なのかを正しく理解していない方も少なくありません。

この記事では、メルカリでの中古品取引において、どのようなケースで古物商許可が必要となるのか、具体例や注意点を解説します。

不用品の売買の場合は古物商許可は不要

メルカリは基本的に個人間の物品売買の場であり、個人に対して不要品売買の場・機会を提供するサービスとされています。個人が自分の不要品を売買する取引において、古物商許可は必要ありません

取引例(古物商許可「不要」)

  • 使わなくなった服をメルカリで売る
  • 子供が大きくなって使わなくなったおもちゃをメルカリで売る
  • 読み終わった本をメルカリで売る など

「せどり」のツールとして使用する場合は古物商許可が必要。

「せどり」とは、商品を安く仕入れて、それを高く売ることで利益を得るビジネスの一つです。中古品の売買による「せどり」は、「営利目的で反復継続して行う取引」となるため、古物商許可が必要となります。

よって、メルカリを中古品せどりのツールとして使用する場合は、古物商許可が必要になるため注意が必要です。

取引例(古物商許可「必要」

  • リサイクルショップで仕入れた中古ブランド品をメルカリで転売する
  • フリーマーケットで安く購入した骨董品をメルカリで転売する
  • メルカリで人気の中古ゲームソフトを入れ、ヤフオク!で転売する
  • 古本屋で仕入れた希少本をメルカリで転売する など

新品の転売は古物商許可は不要なのか

メーカーや小売店で直接購入した新品をメルカリで転売する場合、古物商許可は不要です。

取引例(古物商許可「不要」)

  • 店舗で購入した新品のゲーム機を未開封のままメルカリで転売する
  • メーカー公式サイトで購入した新品の化粧品をメルカリで転売する
  • 量販店で仕入れた新品の家電をメルカリで転売する
  • 公式オンラインストアで購入した新品のスニーカーをメルカリで転売する など

ただし、メーカーや小売店から一度でも別の消費者の手に渡ったものは、たとえ新品・未使用品であっても「古物」に該当します。メルカリを含むフリマサイトやリサイクルショップ等で「新品・未使用」として販売されているものを転売する場合、古物商許可が必要となるため注意が必要です。

メルカリでも取引相手の本人確認が必要?

古物営業法では、古物商は取引相手の身元確認と取引の記録を行う義務があります。メルカリのようなインターネットを利用した非対面取引でも例外ではありません。匿名配送が定着しているメルカリでは、取引相手の本人確認は困難です。

中古品せどりをメルカリで行う際は、取引相手の身元確認と取引記録の義務が「免除」されている取引のみを行うのが現実的です。

取引相手の身分確認と取引記録の作成保存の義務早見表

※売買価格とは1点あたりの価格ではなく、1取引あたりの合計金額です。

売買価格が1万円以上の場合

古物の種類売買価格が1万円以上の場合
取引相手の身分確認取引記録の作成・保存
仕入れ時仕入れ時売却時
美術品類義務あり義務あり義務あり
時計・宝飾品類義務あり義務あり義務あり
自動車(部分品を含む)義務あり義務あり義務あり
(住所・氏名・
職業・年齢は不要)
自動二輪・原付(部分品を含む)義務あり義務あり義務あり
家庭用ゲームソフト類義務あり義務あり免除
音楽や映像を記録したCD・DVD等義務あり義務あり免除
書籍義務あり義務あり免除
上記以外の古物義務あり義務あり免除

売買価格が1万円未満の場合

古物の種類売買価格が1万円未満の場合
取引相手の身分確認取引記録の作成・保存
仕入れ時仕入れ時売却時
美術品類免除免除免除
時計・宝飾品類免除免除免除
自動車(部分品を含む)免除免除免除
自動二輪・原付(部分品を含む)義務あり義務あり義務あり
(部分品は不要)
家庭用ゲームソフト類義務あり義務あり免除
音楽や映像を記録したCD・DVD等義務あり義務あり免除
書籍義務あり義務あり免除
上記以外の古物免除免除免除

身元確認・取引記録が免除されている取引例

  • 売買価格が1万円未満のトレーディングカード(道具類)の仕入・販売
  • 売買価格が1万円未満のネックレス(時計・宝飾品類)の仕入・販売
  • 売買価格が1万円未満の一眼レフカメラ(写真機類)の仕入・販売 など

取引相手の確認義務違反、帳簿等の記録義務違反を行うと、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

メルカリShopで中古品を販売する場合は古物商許可が必要

メルカリShopは、ビジネス目的で中古品を販売するためのプラットフォームです。個人・法人にかかわらずメルカリShopを開設する際には古物商許可が必要です。

Shop開設時に古物商許可証の登録が求められ、ショップ情報には以下の情報を記載する必要があります。

・許可を受けている公安委員会の名称
・許可番号
・許可を受けている方の氏名または法人名

メルカリShop開設後はURLの届出も必要です。

メルカリShopを開設してから14日以内に、営業所管轄の警察署に「URLの届出」を行う必要があります。届出時にはメルカリShop固有のURLを登録し、その使用権限を説明するための資料を提出する必要があります。

登録するURL:審査完了メールに掲載されたショップ固有のURL
説明資料:審査完了メールをPDF化、プリントアウトして提出

※参考:メルカリサポートページ

必要となる説明資料については、管轄の警察署によって対応が異なる場合があるので、事前に確認を取ることをおすすめします。

古物営業法における「URL登録」については下記の記事で詳しく説明しています。
古物商許可のURL届出とは?申請が必要なケースと手続きの流れを解説

メルカリで中古品ビジネスを行うなら古物商許可を取得しましょう

メルカリで継続的に中古品ビジネスを行うのであれば、古物商許可を取得することが必要です。許可を取得することで、法的トラブルを避け、安心してビジネスを展開することができます。

古物商許可の取得には要件があり、申請書の作成や必要書類の収集など、対応が難しいと感じる方もいるでしょう。そんな場合は、専門家である行政書士に相談することをおすすめします。

専門家のサポートを受けることで、スムーズに許可を取得し、安心してビジネスを展開することができます。

古物商許可を取得するための5つのステップは、下記の記事で詳しく解説しています。
古物商許可の完全ガイド:許可取得までの5ステップを徹底解説

まとめ

この記事のまとめ

  • メルカリで不用品を売買する場合は、古物商許可は不要
  • メルカリで営利目的のせどりを行う場合は、古物商許可が必要
  • メルカリで新品を転売する場合は、古物商許可は不要だが例外がある
  • メルカリShop中古品販売を行う場合は、古物商許可とURLの届出が必要

メルカリを利用して中古品ビジネスを行う際には、取引内容やアカウントの種類に応じて古物商許可が必要となるケースがあります。適切な手続きを踏み、安心して中古品ビジネスを行いましょう。

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